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死者とともに生きるメキシコ

更新日:2021年11月2日

こんにちは。LatiJapoの森本です。


今日から明日にかけてメキシコでは死者の日を迎えています。

そんな今日、LatiJapoチャンネルに2本の動画を上げました。


皆さん「死者の日」って、どんなお祭りかご存じですか?

映画「リメンバー・ミー」でモデルになったお祭り、といえば

多くの方がピンとくるのではないかと思います。


©Disney © 2020 Disney/Pixar

今回の動画では、メンバーの実さん(お父様がメキシコ人、お母様が日本人/メキシコ在住)が死者の日にまつわるメキシコの文化、成り立ちをお話ししてくれました。



ぜひ動画でご覧いただきたいのですが、

その内容の一部をこちらの記事でも紹介したいと思います。


メキシコの死者の日は、メキシコの古代文明とキリスト教の融合


メキシコの現在の主要な宗教はキリスト教。でも死者の日を語るには、かつて栄えていた古代文明を抜きにしては語れません。


メキシコがスペインに征服される前、メキシコには沢山の古代文明があったそうです。

うち有名なのはマヤ文明やアステカ文明ですが、それ以外にも沢山の文明があり、それぞれに独自の言語が存在しました。


当時の古代文明にはいくつか共通点があり(例えば食文化!トルティーヤの原料にもなっているトウモロコシ(×小麦粉)、私たちが大好きなチョコレートの原料・カカオ等は当時から食されていたそう)宗教観もその共通点の一つで、当時の民衆の信仰は、多神教だったそうです。


当時信仰されていた竜の神さま。
アステカ文明ではケツァルコアトル、マヤ文明ではククルカンという名称で称されていたそう。

1519年にスペインに征服されてしまうと、その後300年間、メキシコは長きにわたる植民地時代に入ります。その間に、宗教もキリスト教が強いられ、言語もスペイン語で統一され、持ち込まれた病気で人口の多くが失われるなどして、かつてあった古代文明の要素は大きく損なわれてしまいました。


とはいえその間も様々な形で残った古代文明の要素が、今なおメキシコの各地の文化、そして死者の日というお祭りの中でも見ることができるようです。


死者とともに生きるメキシコ


そういった死者の日のお祭りなどでも出てくるガイコツ。メキシコでは上記の古代文明でも、それ以降の歴史でも愛されてきたアイコンですが、近代でも多くのアーティストが好んで取り上げています。


うち代表的なものは版画家のポサーダの作品で、

彼はガイコツを当時の独裁政権、そして階級社会に対する皮肉…

「どんな人間もみんな死んだらガイコツ」≒「死は誰にとっても平等である」

というメッセージを込めて描いたとのこと。


特に有名なのはこちらの「カトリーナ」という女性のガイコツです。

彼女はいかにも裕福な服装をしていますが、実はそんな皮肉が含まれていたんですね。


また動画では、死者の日に砂糖菓子を食べる意味、死者の日にメキシコの小中学生がみんな作る「死の詩」(カラベーラ)について等、「死」にまつわるメキシコの面白い風習等を紹介しています。


祖先信仰という観点では日本のお盆と同じながら、メキシコのエピソードからは、

なんだか「死」に対しても明るくユーモアを交える姿勢だったり、

死に対してすぐそばにいる友人のような親しみやすさ、

みたいなものを感じることができるのがとても不思議です。

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