ついに。メキシコでLatiJapoプロデュースの公演を行うことになりました。
嬉しすぎます(涙)。
本番を前に、メキシコにやってきて、会場下見や衣装の最終調整、
こちらで感じた空気を演目に入れ込む最終仕上げをしています。
今回、アーティストMihoさんのご縁で公演させていただくこととなった場所は、
メキシコシティにある国際芸術センターのマルチメディアセンター。
ここには若い世代が通う美術大学もあり、アーティスト支援の中心地です。
公演の会場下見に行ってまず圧倒されたのは、そのスケールすべてを捉えきれないほどに
のびのびと広がる建築の素晴らしさ。色、形、自然との共生。
すべてにコントラストがきいた風景に、ぎゅっと、脳みそが掴まれます。
さらにメキシコサイドのスタッフの皆さまの、感動的な協力体制。
何がしたいか。どうできるか。どこまでもフレキシブルに、ともに
いいものを作り上げたいと思ってくださる熱意。
クリエイションの自由度が高まり、ボルテージはあがる一方です。
思い返してみれば、
ラテンアメリカと日本を、「クリエイティブ」をキーワードにつなぎたい。
まずメキシコから始めよう!
そんな小さなタネを植えたのはもうはるか昔。
コロナで世の中が大きく変わる前のことでした。
オンラインも活用しながらたくさん話し合い、思いがけない出会いをいただき、
想いが重なりはじめ、やがて結合して。そこから細胞分裂してどんどん増殖していくように
このプロジェクトへとつながっていきました。
今回の公演のタイトルは「EN」。
縁であり円。そして円(サークル)の形である○から
0(ゼロ)の思想を発想しています。
LatiJapo代表メンバーの一人であるMinoruから共有された、
メキシコのマヤの思想である「0(ゼロ。スペイン語ではセロ)にはすべてが在る」
という考えかた。これは日本では、空海が教えてくれる「空(くう)」にも
つながっているように思います。
ゼロとは、何もないということではなくすべてがあるということ。
無ではなくて空。
1を欲しがれば反対側にー1が存在し、1を欲しがることは10を欲しがることにつながり
それは同時にー10を生み出すことになる。だから、ゼロこそがバランス。
たくさん生まれた縁によってプロジェクトの輪郭がはっきりと見え始め、
それぞれに存在する場所から自由に関わりつづけたことで誕生した今回の公演。
それは、目的に向かって徐々に出来上がっていくようなプロセスとは違っていて、
未来にできることをすべて先に決めていて、そこに向かって
ただひたすらに歩きつづけてきたような感覚でした。
普通は「原因があるから結果がある」と考えると思うのですが、
今回はどう考えても逆だったし、世の中の出来事も実は先に結果があるんじゃないかな。
結果のために必要なことは意外と少なくて、
結果そのものを、しっかりはっきり見据えて動きつづけられさえすれば大丈夫なんだ。
因果律が逆になった!
今日、会場下見でそんな達成感がまずやってきました。
日本の和紙を衣装に仕立て、アーティストたちが描き、躍動する舞台は
メキシコでどう受けとっていただけるのか。
LatiJapoプロデュース「EN」。公演まであと数日です。
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